
昨年度より、本所 次世代育成オフィス(ONG)と大日本印刷株式会社(DNP)は、教育連携事業として、STEAM型教育プログラムの開発を協働で行っています。今年度はその取り組みの一環として、ユニバーサルデザインをテーマにした「STEAM型 次世代育成ワークショップ2025」が開催されました。
本プログラムは、本学が有する高度な教育力と研究力を活かし、人と社会をつなぐ新たな価値の創造を目指すもので、多様性への理解と共感力の育成を重視する構成となっています。今年度は、7月31日(木)、8月21日(木)、9月20日(土)の3日間にわたり、本所およびDNP施設を会場に、関東近郊の高等学校7校から選ばれた18名の生徒が参加しました。
今回のワークショップでは、「『人』を考える。デザイン思考でユニバーサルデザインを考えてみよう!」をテーマに、ONGが開発した「探究学習デザインメソッド」を活用しながら、4つのセッションを通じて探究的な学びを深めました。
初日(本所 ホワイエ)のセッション①では、参加者同士のチームビルディングを通じて、グループ内の関係性を育みながら、探究の土台を築きました。続くセッション②では、本学 先端科学技術研究センターの熊谷 晋一郎 教授と、ユニバーサルデザインコーディネーターとして活動するGRIC(グリック)の高橋 純也 代表を迎え、講演と疑似体験を通じて、ユニバーサルデザインを「自分ごと」として捉える視点を養いました。
2日目のセッション③(DNP市谷左内町ビル)では、各自が発見した社会課題に対し、ユニバーサルデザインの観点から解決策を構想しました。
最終日のセッション④(DNPプラザ)では、アイデアの共有と改善を行い、チームごとに成果をまとめ上げました。生徒たちは、協働作業を通じて問題解決能力やコミュニケーションスキルを実践的に身につける貴重な機会を得ました。
さらに、本プログラムでは、各グループに本学のTA(Teaching Assistant)と、本取り組みに賛同した企業の若手社員のGA(Growth Advisor)が伴走者として参加し、生徒の思考を深める問いかけや視点の提供を通じて、議論や活動に厚みを加えました。
生徒からは、「様々な人の視点になって考え、アイデアを広げて共有することの大切さ、面白さを知ることができた」、企業のGAからは、「若い世代と関わることで、自分の視野が広がり、新たな発見があった。これからのビジネスにおいて、異世代との協働がますます重要になると実感した」、本所TAからは、「生徒たちが自ら問いを立て、仲間とともに考えを深めていく姿に、新しい教育の可能性を感じた。私自身も多くの学びを得ることができた」といった声が寄せられ、それぞれの立場での気づきや学びが、今後の自身の実践に繋がる貴重な成果となりました。
ONGでは、今後もDNPとの連携を継続し、企業参画型のSTEAM教育の可能性を広げ、初等中等教育への展開を視野に入れた持続可能なプログラム設計を進め、教育分野における新たな価値創造を目指していきます。
本ワークショップ実施にあたり、多大なるご協力をいただいたDNP社員の皆様、深い示唆をいただいた登壇者の皆様、本取り組みに賛同しご協力いただいた企業の皆様、そして熱意をもって参加してくださった生徒及び教員の皆様に、心より感謝申し上げます。
(次世代育成オフィス室長・教授 大島 まり、学術専門職員 上田 史恵)

グループで熱心に話し合う様子

DNP市谷左内町ビプラザでの様子

DNPプラザで発表する様子

本所TAと企業GAが支援する様子

本所での講演の様子

本所での取り組みの様子

